日本の敗因―歴史は勝つために学ぶ |小室 直樹
講談社 (2001/05)
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大東亜戦争の勝因
未だに引きずる日本の敗因
気合入れ直せ、ということ【私の評価】★★★★☆
■著者紹介・・・小室 直樹
1932年生まれ。大学卒業後、フルブライト留学生となり渡米。
マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学で、
経済学、心理学、社会学、統計学を学ぶ。その後、東京大学
大学院法学政治学研究科修了、法学博士。
社会、政治、経済について評論家として活躍。著書多数。
●この本の結論は、
第二次世界大戦は、物量で負けたのではなく、
軍部の腐敗官僚によって負けたということです。
・日本はアメリカの物量に負けたのではない。・・・これは、
敗戦責任を逃れるための軍部の口実にすぎない。・・・あの戦争は
無謀な戦争だった。・・・腐敗官僚に支配されたまま、戦争という
生死の冒険に突入したこと。それが無謀だったのである。(p26)
●そして、現在の経済戦争でも、企業の強さではなく、
経済官僚(財務省、経済産業省)の腐敗によって負けるだろう
ということを予想しています。
・戦前・戦中の日本は、軍事官僚が日本を支配していた。
戦後の日本は経済官僚が日本を支配している。その官僚制が
あまりにもよく似ているため、同様の「敗戦」に導かれる
であろう。(p305)
●確かに、旧大蔵官僚は、護送船団方式で銀行を弱体化させ、
「総量規制」により地価、株価の下落を加速させました。
経済産業省も、多くの産業分野において規制を残し、
支配力を維持しようとして、産業を弱体化させています。
・マックス・ウェーバーは、「最良の役人は最悪の政治家だ」といったが、
まさにその通りである。(p314)
●こうした官僚支配を打破するために、
著者は、政治家が主導権を持つこと、
そして、それを可能にする人材を育成することを提唱しています。
●日本軍の官僚化と現在の官僚組織との類似点を明確にし、
官僚の恐ろしさを明らかにした名著ということで、★4つとします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・乱脈経営で破綻した信用組合の理事長と癒着していた
田谷廣明や中島義雄。彼らは民間人だったら懲戒免職だろう。
それを辞任で許してしまった。おまけに、多額の退職金を
せしめさせて。(p188)
・外務官僚の宣戦布告は、奇跡的怠慢さをもって行われた。
・・・井口貞夫参事官と奥村勝蔵書記官とは、飲みすぎて、
グデングデン・・・宣戦布告の通告は遅れた。・・・
下手人たる井口参事官と奥村書記官とは・・・
外務事務次官にまでなった。(p120)
・開戦以前に、「パイロット二万人養成計画」というものを
ぶちあげた人物がいるということだ。すばらしい計画である。
・・・実行されなかった理由は、・・・戦争が終わったあと、
彼らをどうするのか、ということだった。(p200)
▼引用は、この本からです。
「日本の敗因」小室 直樹、講談社(2001/5)¥924
【私の評価】★★★★☆
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