小室 直樹の書籍を徹底紹介します。

日本人のための経済原論 |小室 直樹

日本人のための経済原論日本人のための経済原論
小室 直樹
東洋経済新報社 刊
発売日 1998-11
価格:¥1,785(税込)




二つの因果律 2006-06-13
線型因果律(物理学)と同時因果律(経済学)の説明に酔ってしまいました。
物理学が、自然法則の検証実験を数多く為し得たのは、条件の制御が可能な系、つまり、
因果律に関わる変数を分離することができる系(原因→結果の関係が一方的でフィードバックのない系)に恵まれていたからである。
原因が結果を生む・・・従来の因果律(線型因果律)は、原因と結果が別々の変数であることが前提である。
一方、原因となる変数が結果をも兼ねてしまう同時因果律の場合、原因→結果→原因→・・・と無限の波及効果を生じることになる。
原因→結果の関係が一方向的ではなく双方向的であり、因果に関わる変数を分離することが、そもそも不可能な系(経済学)の場合、
複雑な系であるから実験が困難なのではなく、因果に関わる変数の分離がそもそもできないが故、実験そのものが原理的に不可能なのである。

実験的に確かめることができない上に循環論であると揶揄し、満足な説明とは到底見なさず、馬鹿にしてきた経済学を見直す素晴らしい契機を与えていただきました。
実験による検証、現実のすべてを説明しつくすことを、はじめから断念したうえで、
最適と均衡という二つの原理の上に作り出された整合理論:一般均衡論(general equilibrium theory)の醍醐味を是非とも御賞味いただきたい。


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この記事は2006/9/24に作成しました。

【小室 直樹の経歴】
1932年生まれ。 

1955年、京都大学卒業。大阪大学大学院経済学研究科進学し、理論経済学を研究する。

1959年、阪大大学院博士課程を中退し、フルブライト留学生としてアメリカのミシガン大学大学院に留学。
同大で1年間学んだ後マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の奨学金を得て理論経済学を学ぶ。

心理学を学ぶことが、社会学や政治学の理論化に有益であると考え、
1年後に再びミシガン大で社会学、政治学、心理学、文化人類学を学ぶ。

1962年帰国し、1963年、東京大学大学院法学政治学研究科進学。
社会学、社会人類学、法社会学、計量政治学を学ぶ。金がなくて、近くの小学校で夜勤の用務員のアルバイトもした。

1972年、東大から「選挙区の特性分析」で法学博士号取得。

ボランティアで自主ゼミナール(小室ゼミ)を開講。
小室ゼミ出身の研究者として、橋爪大三郎・宮台真司などが、また評論家として副島隆彦がいる。

『ソビエト帝国の崩壊』『ソビエト帝国の最期』など、ソ連の崩壊と、その過程を10年以上も前から予言していた。

現在は、現代政治研究所所長。




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