論理の方法―社会科学のためのモデル |小室 直樹
論理の方法―社会科学のためのモデル小室 直樹
東洋経済新報社 刊
発売日 2003-04
価格:¥1,785(税込)
出来る人は生まれつき出来る 2006-04-19
社会科学のためのモデル、とあるがモデルは社会科学だけでなく経営戦略・マーケティング戦略の策定にトテモ役に立つ。
あるビジネスモデルがうまく行くか行かないかというのを簡単な数式にしてみると、結局押せるボタンはココとココしかないですよ、というのがよく見えてくる。
例えばコスト削減のために調達金額を下げたいとすると、
m :サプライヤーマージン
q1 :購買量
qt :全体生産量
f :固定費
調達額はqt/f+mq1になり、じゃあコレをどうしようかということになる例えばqtを上げようと思ったら仕様を統一して他社と一緒に購買しすることで全体生産量を上げようとか、q1を下げようと思ったら平均の超過在庫分を減らそう、ということになる。
で、クライアントにも時々居るのだがこういうことを説明すると「在庫のための倉庫のコストはどうする」とか「交渉のための人件費は」とかクダラナイことを言い出す。
そんなことは気にしなくていいのである。モデルというのは骨太な本質をまずは数式にしてしまう、ということで後の細かい要素は全て捨象し、まずは方向を決めてしまう、ということなのである。
実はこの技術は戦略系コンサルティングファームのプロフェッショナルスタッフに必須のもので入社時の適性検査でモデル思考が出来るかどうか、という点はかなり厳密に審査される。
で、僕自身はこのセンスというのはかなり生まれつきのものではないかと思っている。入社面接でやる簡単な「数当てクイズ」というのがあって、簡単に言えば「タクシー産業の規模を5倍にするには」とかそういうことを聞くのだが、センスのいい子はすぐに数式に分解してどれをイジるとどうなるか、という議論に持ってくる。ダメな子は「広告をやる、いや値下げをする・・・いや」といった形に思いつきのアイデアの羅列になる。
実は僕自身はこの本を読んで何か新しいことをつかんだという感じではなくて「ああ、そうか。やっぱり古典派経済学もケインズも同じ態度でモデルを組んでるんだ」というのが最もうれしい発見だった。
とは言え、不慣れな人にとっては大いなるきっかけになりうるとも思う。
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この記事は2006/9/24に作成しました。
