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痛快!憲法学 ― Amazing Study of Constitution & Democracy |小室 直樹

痛快!憲法学 ― Amazing Study of Constitution & Democracy痛快!憲法学 ― Amazing Study of Constitution & Democracy
小室 直樹
集英社インターナショナル 刊
発売日 2001-04
価格:¥1,785(税込)


???政界には「論憲」や9条抜きの改憲といった新手の憲法論議が生まれているが、本書の「憲法学」は、そのいずれかに与するものではない。かといって条文解釈だけの無味乾燥な学問書でもない。日本の憲法と民主主義は「すでに死んでいる」という主張を掲げ、10年来の不況、財政破綻、凶悪な少年犯罪といった問題の原因がすべてそこにあるとする、実に刺激的で今日的な「憲法学」なのである。
???全体は講義を模した会話調で進められている。著者であり講師役の小室は、経済学や社会学、思想・宗教などの多角的な見地から、世界史における憲法と民主主義の成立過程を検証していく。その聞き役として登場する編集者の「シマジ」は、日本の平均的な庶民といった役回り。小室の鋭い論法に彼がうろたえるさまは、そのまま今の日本人がいかに平和ボケしているかを物語っている。
???講義で指摘されるのは、憲法はその精神を慣習として定着させる努力があってこそ生きるという点と、憲法が国民のためではなく国家権力を縛るためにあるという点。そこから国家というリヴァイアサン(旧約聖書に登場する怪物)に対峙した人々や議会、革命の歴史にスポットが当てられる。『社会契約説』のロック、経済学のケインズなどはそのキーパーソンとして読み解かれている。とくに西欧で民主主義・資本主義を成立させたのはキリスト教とカルヴァンの予定説であり、日本では明治の「天皇教」がその役割を担ったという論考や、デモクラシーがカエサル、ナポレオン、ヒトラーといった独裁者を生んだという指摘などが注目に値する。
???翻って日本はどうなのか。講義では、終盤で日本の憲法と民主主義がいつ誰に「殺された」のかが論じられている。現在の閉塞状況と小泉首相の誕生。日本がなぜこうなったのかを、本書は教えてくれる。(棚上 勉)

興味深く読めた! 2006-09-02
小室直樹氏の著作を初めて読みました。

かなり面白かったです。日本の憲法の柱である「民主主義」と日本が
採用している「資本主義」という経済システムの成り立ちをキリスト教
の宗教革命を起源として、解説が進んでいくがとても分かり易く、初めて
この様な考え方を知った私には衝撃的でした。

また、アメリカでは銃を所持することを認めている事の理由や、日本の明治
時代に日本ではどの様にして民主主義が芽生えて、その当時の人はどの様に
してそれを確立したかということはとても納得のいく説明で興味深く読み
ました。

憲法学との事ですが、本書に書いてある通り、憲法解釈はせず憲法の意義を
問いただしています。そのため、世界史、日本史、経済学の分野まで話は進み
ます。歴史や経済に興味のある方にとっても本書を読むことは有意義なことで
あると思います。

読んで損はないと思います。良書です。


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この記事は2006/9/24に作成しました。

【小室 直樹の経歴】
1932年生まれ。 

1955年、京都大学卒業。大阪大学大学院経済学研究科進学し、理論経済学を研究する。

1959年、阪大大学院博士課程を中退し、フルブライト留学生としてアメリカのミシガン大学大学院に留学。
同大で1年間学んだ後マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の奨学金を得て理論経済学を学ぶ。

心理学を学ぶことが、社会学や政治学の理論化に有益であると考え、
1年後に再びミシガン大で社会学、政治学、心理学、文化人類学を学ぶ。

1962年帰国し、1963年、東京大学大学院法学政治学研究科進学。
社会学、社会人類学、法社会学、計量政治学を学ぶ。金がなくて、近くの小学校で夜勤の用務員のアルバイトもした。

1972年、東大から「選挙区の特性分析」で法学博士号取得。

ボランティアで自主ゼミナール(小室ゼミ)を開講。
小室ゼミ出身の研究者として、橋爪大三郎・宮台真司などが、また評論家として副島隆彦がいる。

『ソビエト帝国の崩壊』『ソビエト帝国の最期』など、ソ連の崩壊と、その過程を10年以上も前から予言していた。

現在は、現代政治研究所所長。




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